
どのカードローンに申込むかを選ぶときに一番多くの方が指標としているのが「金利」です。
カードローンの利用目的の記事でも紹介した「ジャパンネット銀行によるカードローン意識調査」でも、カードローン選びで重要視したポイントという項目で約60%の人が「金利」と回答して一位でした。ちなみに二位が「安心感」で34.8%、三位が「返済の自由度」で33.8%です。
こうしてみると、どれだけ多くの人がカードローンの金利を重要視しているかが良くわかります。
ですが、一概に金利と言っても「金利」「利息」「実質利率(実質年率)」など様々な言葉がありますし、住宅ローンと同じようにカードローンにも固定金利や変動金利の商品があることをご存知でしょうか?
そこで今回は各カードローンの金利を徹底比較するとともに、金利について少し深く掘り下げてみたいと思います。また、低金利のおすすめのカードローンもご紹介しています。
1. 金利の基礎知識
2. 各金融機関の金利比較表
3. 低金利で即日融資可能なおすすめのカードローン
1. 金利の基礎知識
カードローンに限ったことではなく、お金を借りる場合には金利が発生します。住宅ローンやマイカーローンにも金利は掛かりますし、学生の奨学金や生活に困窮している人へのセーフティネットであるはずの生活福祉資金貸付ですら、お金を借りると金利が掛かるのです。
つまり金利とは、お金を貸してくれた人(企業)に対するレンタル料金みたいなものだと考えると良いでしょう。ちなみに例え友達同士や親子関係でもお金を貸すときに金利を取るのは法律上認められています。(※営業許可を得てない人が不特定多数の人にお金を貸すのは違法)
このようにお金を借りる(貸す)以上は、必ずといっていいほど金利というレンタル料が発生するものだと考えておきましょう。
例えば100万円を借りた場合、金利が10%だったらレンタル料(金利)はいくら払うことになるのでしょうか?
正解は100万円の10%なので10万円と言いたいところですが、実は金利は借りた日数分で計算されます。基本的に「金利=年間の利息(年利)」だと思ってください。
金利10%という約束で100万円を借りて、1年後に100万円を返済するとしたら金利分の10万円をプラスして110万円返済することになります。
しかしカードローンなどの場合は、1年後にまとめて全部返済します!は通用しませんよね。毎月少しずつでも返済していかなければなりません。
その返済金の中には金利分と元金分が含まれているので、元金が減れば掛かる金利も減ることになります。
例えば三井住友銀行のカードローンシュミレーションを使い、金利10%で100万円を1年かけて返済した場合、トータル支払の返済額は105万5千円となりますので、支払うレンタル料(金利)は5万5千円となります。
実質年率とは
実質年率の話をする前に「金利」「利率」「利息」「利子」などの意味について説明しておこうと思います。
基本的に「金利と利率」「利息と利子」は同じような意味を持つ類義語です。
すごく大雑把に説明すると「金利や利率」は受け取る予定のお金、「利息や利子」は利息が受け取る側、利子は支払う側に使われることが多いようです。ただしあくまでも慣例的なものなので、金利、利率、利息、利子はほぼ同じ意味だと思っても問題ありません。
さてそれではカードローンの金利欄などに書かれている「実質年利」の「実質」とは、どのような意味なのでしょうか?
この実質とは、カードローンの手続きに際して審査をしたり、書類を作成したりと手間が掛かりますよね。それらの手間賃や調査費用、さらには保証会社の保証料まで金利に含まれていますよ。という意味なんです。もちろんそうすることは法律でも認められています。
つまり「金利+諸費用=実質年率」だと思ってください
変動金利と固定金利
固定金利や変動金利というのは、住宅ローンだけの話だけだと思ってる人がいるようですが、カードローンも固定金利と変動金利のどちらかに分類されています。
住宅ローンのように借入額が多くないので、あまり気にする人は少ないのですが、おまとめローンなど借入額が大きくなるときは慎重に選ぶことをおすすめします。
マメ知識
固定金利とは= 契約時の金利のままずっと同じ金利が適用されること
変動金利とは= 景気の情勢により、金利をその都度見直すことができる
一般的には固定金利の方が変動金利に比べ金利が高く設定されています。変動金利は景気が良くなると金利が上がり、景気が悪くなると金利が下がるのが一般的です。
例えば2016年11月現在の住宅ローンだと「固定金利=1.5%」「変動金利1.0%」のように変動金利の方が低くなってます。
ただ10年前の住宅ローンだと「固定金利=3.5%」「変動金利=3.0%」というように、そのときの経済情勢によって金利も変動します。
ですので、今のように景気が低迷してるときには金利が低くなっているので、固定金利を選択するのが住宅ローンでは良い選択肢だと言われています。
ただしカードローンに関しては住宅ローンほど景気の情勢に金利が大きく影響されることはありません。
一応カードローン別に固定金利と変動金利の商品を紹介しておくと、
単一金利のカードローン
- プロミス
- SMBCモビット
- アイフル
変動金利のカードローン
- 三菱UFJ銀行バンクイック
- 三井住友カードローン
- みずほ銀行カードローン
- 楽天銀行カードローン
- アコム
アコムは少し例外ですが、こうしてみると消費者金融カードローンが固定金利、銀行系カードローンが変動金利を多用していることが解ります。
利息制限法とは?
利息制限法とはお金を貸すときに請求して良い金利などを定めた法律のことをいいます。この利息制限法では2016年11月現在だと貸付金に対する金利は以下のように定められています。
貸付元金 | 上限金利(年率) |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円以上~100万円未満 | 18.0% |
100万円以上~ | 15.0% |
このように金利の上限は法律でしっかりと決められているので、これ以上の金利を取っている貸金業者は違法な営業をしていることになります。
適用金利が決まる基準って何?
例えば三菱UFJ銀行のカードローン「バンクイック」の金利は1.8%~14.6%となっていますが、かなり幅があると思いませんか?もちろんバンクイックに限ったことではなくカードローンのほとんどがこのように最低金利~上限金利までかなりの幅が設定されています。
そしてこの設定金利の範囲内で適用金利が決まるようになっているのです。つまり同じバンクイックでお金を借りても金利1.8%の人もいれば、金利14.6%の人もいるということです。当然できるだけ低い金利で借りたいと思うのは全員同じです。
そこで金融機関はどうやって個人の金利を決めるのかについて解説していきたいと思います。
適用金利は2段階方式で決められる
適用金利の決め方は2段階に分けられて決まるのが一般的です。
- 借入限度額によって金利幅が決まっている
- 個人の属性などを審査した上で最終的に適用金利を決める
基本的にはこの2段階方式で決まるカードローンが今の主流です。例えばバンクイックであれば以下のように借入限度額ごとに金利が大まかに決まっています。
利用限度額 | 借入利率 |
---|---|
400万円超500万円以下 | 年1.8%~年6.1% |
300万円超400万円以下 | 年6.1%~年7.1% |
200万円超300万円以下 | 年7.1%~年9.6% |
100万円超200万円以下 | 年9.6%~年12.6% |
10万円以上100万円以下 | 年12.6%~年14.6% |
ご覧頂ければわかるように、400万超~500万円以下の限度額だと年利は1.8%~6.1%と幅を持たせてあります。そしてこの幅の中で個人の属性などを審査した上で最終的な適用金利が決められます。(※属性=年収、勤務先、勤続年数、役職、取引実績、資産など)
2. 各金融機関の金利比較表
大手消費者金融と、主要な銀行のカードローン金利比較表を作ってみました。
種別 | 金融機関名 | 金利 |
---|---|---|
銀行系(都市銀行) | 三井住友銀行カードローン | 4.00~14.50% |
三菱UFJ銀行「バンクイック」 | 1.80~14.60% | |
りそな銀行カードローン | 3.50~12.475% | |
みずほ銀行カードローン | 3.00~14.00% | |
銀行系(地方銀行) | 北洋銀行カードローン「スーパーアルカ」 | 1.90~14.70% |
常陽銀行カードローン「キャッシュピット」 | 2.50~14.80% | |
足利銀行カードローン「モシカ」 | 5.80~14.80% | |
埼玉りそな銀行「プレミアムカードローン」 | 3.50~12.475% | |
ちばぎんカードローン「クイックパワー」 | 4.30~14.80% | |
横浜銀行カードローン | 1.90~14.60% | |
愛媛銀行「ひめぎんクイックカードローン」 | 4.40~14.60% | |
みなと銀行カードローン「Qポートネオ」 | 4.0~14.00% | |
福岡銀行カードローン | 3.00~14.50% | |
ネット銀行 | オリックス銀行カードローン | 3.00~17.80% |
ジャパンネット銀行「ネットキャッシング」 | 2.50~18.00% | |
住信SBIネット銀行「MR.カードローン」 | 1.89~7.99% | |
楽天銀行「スーパーローン」 | 1.90~14.50% | |
じぶん銀行カードローン「じぶんローン」 | 1.90~17.50% | |
イオン銀行カードローン「BIG」 | 3.80~13.80% | |
ソニー銀行カードローン | 2.50~13.80% | |
ゆうちょ、JA、労金 | ゆうちょ銀行カードローン「したく」 | 7.00~14.90% |
農協JAのカードローン | 各地域で異なる | |
労金カードローン「マイプラン」 | 各支部に確認 | |
消費者金融カードローン | SMBCモビット | 3.00~18.00% | アコム | 3.00~18.00% |
プロミス・プロミスレディース | 4.50~17.80% | |
アイフル | 3.0~18.00% |
こうやって各金融機関のカードローン金利を一覧にすると銀行系カードローンが圧倒的に金利が低く設定されていることがよくわかります。
それは都心銀行でも地方銀行でも同じことが言えます。
ただ、ネット銀行に目をやると少し金利の幅が目立つようになります。下限金利はどこよりも低いが、上限金利は消費者金融並みに高い!ということも解りますよね。
下限金利を低く設定しておき利用者の目を向けさせるが、実際には消費者金融並みの金利で借りている利用者も多いのがネット銀行カードローンの特徴です。
3. 低金利で即日融資可能なおすすめカードローン
金利を重視したおすすめカードローンをいくつか紹介しておきます。
三菱UFJ銀行「バンクイック」
【借入限度額】500万円
【審査】最短30分
【実質年率】1.8~14.6%
おすすめポイント
下限金利が低いバンクイックと上限金利が低い「りそな銀行カードローン」で悩みましたが、やはり都銀ということもあり、おまとめローンなどで利用する人も多いのではないかと予想し、あえて圧倒的な下限金利を打ち出しているバンクイックにしました。
おまとめローンとして利用価値が高いと判断したもう1つの理由が上限限度額500万円なのに、1.80%という低金利にしていることです。他のカードローン商品にも1%台の金利商品はありますが、ほとんどが限度額800万や1000万円を借り入れた場合の金利です。
またテレビ窓口という自動契約機を設置してあり、同行の口座を持っていなかったとしても即日融資が可能なのもカードローンとしては重要なポイントに見ました。
住信SBIネット銀行「MR.カードローン」
【借入限度額】500万円
【審査】最短30分
【実質年率】1.89~7.99%
おすすめポイント
こちらのカードをセレクトした理由は金利をみて頂ければ一目瞭然だと思います。カードローンでこの金利は正直驚きです。
これは管理人が何かのサイトか雑誌で読んだことなので記憶は定かでありませんが、住信SBIネット銀行の考えとしては住宅ローンを営業の柱としているので、カードローンは住信SBIネット銀行という名前を覚えてもらうためのツールの1つだと仰ってました。たしかに賢い戦略だと思います。
同行の預金口座を開設済みなことが条件になりますが、最短30分での即日融資も可能です。
カードローンの金利を下げる方法ってあるの?
カードローン商品にとって金利がどれほど重要なのかおおよそ理解頂けたかと思います。そこで最後に既に利用中のカードローンがあったとして、そのカードローン金利を下げてもらうことは可能なのかについて話をしたいと思います。
一応金利を下げる方法として、以下のような選択肢があります。
- 優良顧客となり、金利引き下げのお願いをする
- 増額・増枠時に金利を下げてもらう
- おまとめローンで借入額を増やす
- 金利の低いカードローンへ借り換える
この4つは上から順番に難易度が高いと思ってください。一番簡単な方法は4番の金利が低いカードローンへ借り換えをすることです。